• Essay#1-3 デュエイン・オールマンの追憶3

    Posted on 11月 19, 2012 by in Essay&Column

     

    私の拙い英語だけれど、思いっきり感情過多なDUANEに関する熱弁に、ホテルマンは眉をすっとあげていった。

    「うん、そんなにファンなのか。ぜひ参ってやってくれ、デュアンじゃなくてデュエインの墓にね」

    まさか本場で「デュエイン」と発音するとは知らなんだ。遅まきながら「デュエイン」の真相を学んだ私だった。以降、一貫して「デュエイン」でいっている。

    ホテルのスタッフは、ここだ、ここだとばかりにプリントした紙を出してくれた。 デュエインが、そして彼の盟友で同じバンドのベーシスト、ベリー・オークレイ(現地にて発音を学ばなかったけれど、これでいいんだろうな)が並んで眠っている「ローズ・ヒル・セメタリー」への地図だ。 ちなみにベリーはデュエインの死から約1年後、彼の事故現場からさほど遠からぬ場所で、同じバイク事故を起こして亡くなっている……。

    ホテルのスタッフによると、デュエインとベリーの墓は観光名所になっているそうだ。

    ホテルから墓地までは、歩いて30分くらいかかったと記憶している。

    8月のメイコンはじっとしているだけで汗がにじんだ。 だが、私はすでにオリンピック以上の意義をこの墓参りに見出しており、足取りも軽く歩を進めた。 墓地につくまで大きな通りを行ったのだが、黒人以外とは出会わなかった。 信号待ちしているクルマに乗り込んでいる連中、バスの車窓から見える人々の顔も、途中で水分補給のために入ったマクドナルドのスタッフもお客も、全員が黒人だった。

    マクドナルドではコーラを買った。「コーク!」と4回くらい吠えたら、ようやく出てきた。しかし、私の英語力というやつは。

    道路沿いには、日本人の感覚からしたら、かなり大きな庭を持つ家が並んでいる。 だが、おそらく、この程度の物件は現地では豪邸とはいえないのだろう。歩道に乗り出して停まっているクルマは、かなりくたびれている。建物も木造が多く、白やブルー、ピンクといったペンキは剥げかかっていた。熱くシルバーめいた陽の光と木々の濃いグリーン、ほこりっぽくてグレーをおびた道路。これが、メイコンの夏の色彩なのだと思った。

    ある家の前をとおったら、中年の女がホースで芝に水をやっていた。軽い気持ちで「ヘロー」と手を振ったら、思いっきり怪訝そうな反応をされ、「メイコン・イズ・マイ・セコンド・ホームタウン」的心境になりつつあった私は少し落ち込んだ。

     

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